主催: 一般社団法人日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会第43回年会
回次: 43
開催地: 宇都宮大学
開催日: 2019/08/23 - 2019/08/25
科学教育では、視覚的な資料を提示することにより理解を促すことが多い。本稿では、視覚的な資料を提示できないサイエンスコミュニケーションの場において、視覚言語である手話を取り入れることについて、調査と事例紹介等を通じて考察し、その可能性について述べる。手話は、形状・様態・科学的理論を組み合わせながら「意味を適切に表現し、理解しやすい」ように工夫して創られた視覚言語であり、体を使って表現するため、視覚的な資料の提示が困難な場合でも、容易に組み入れることができる。また、これまでの経験により、形状と様態を組み合わせた手話単語は、かなりの確率で伝わること、伝わらない手話でも解説することで、驚きと納得を得られることがわかっている。このことから、手話を併用することによって、サイエンスコミュニケーションによる学びの広がりが期待でき、科学教育のユニバーサルデザインを推進できると考える。