日本科学教育学会年会論文集
Online ISSN : 2433-2925
Print ISSN : 2186-3628
ISSN-L : 0913-4476
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論文集
日本の幼児教育における遊びの意味とそれをふまえたSTEM 教育の在り方に関する一考察
*大貫 麻美
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抄録

STEM/STEAM 教育は近年国内外で大きく注目されている.一方で日本の幼児教育における実践的研究はまだ少ない.本発表においては,日本の幼児教育の特性である「遊び」を通しての総合的な指導に着目し,既報の事例研究を基に,幼児がクラフト紙を用いて遊ぶ過程で多様なプログラミング的思考の萌芽が見られること,モンテッソーリ教育園において園児が自ら選んだ生命科学に関する活動を行う過程で,算数・数学の基礎的概念や,表現活動につながる学びがあること,親や保育者との関係の中で自発的な活動に進展が見られたり,科学的思考の萌芽が精緻化されたりすること等を示した。これらをふまえ,日本における幼児向けSTEM/STEAM 教育の在り方について検討し,(1)幼児が充実感や満足感を得られる「遊び」としての活動の設定, (2)幼児が主体的に遊ぶ過程で科学的な気づきが得られうる環境構成, (3)幼児の発見に寄り添い発展を支援する保育者・教育者,を重要な要素として示した.

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