米国では次世代科学スタンダード(NGSS)に基づいて科学の各領域において,領域横断的な学習が進められている.本研究では,理数および総合的な探究の時間において教科等横断的な学習を開始した日本において,今後各教科内における教科等横断的な学習を進める上での示唆を得るために,米国高等学校生物教科書における近年の変化を調べた.NGSS提唱後の教科書は記載内容に大きな変化が見られる教科書とNGSS以前の記載内容と変化が見られない教科書の二種類に分かれた.記載内容が大幅に変化した教科書では,神経系,循環器系,免疫系,内分泌系,呼吸器系等の学習内容が削除された一方,新しい活動として,工学的デザインを含む活動が増加した.これは, NGSSによる3次元学習の導入によって学習の在り方が変化したことを示すと考えられる.今後日本も教科内での教科等横断的学習を進める際,学習内容を見直すことは一つの大きな課題である.