主催: 一般社団法人 日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会第45回年会 鹿児島大会
開催日: 2021/08/20 - 2021/08/22
現下のコロナ禍において,オンライン授業は大学教育の大きな割合を占めている.しかし生徒の主体的な体験を求める実習型授業をオンライン授業下で行うことは難しく,授業効果の減少や教材整備にかかる教員側の大幅なコスト増加が見込まれる.著者らは沿岸海洋生物の採集・観察を通じて生物教育をおこなう野外実習の一種である臨海実習に着目して,生物採集や観察をオンライン上で主体的に体験する「バーチャル臨海実習」プラットフォームVRinkaiを試験的に開発した.VRinkaiは慶應義塾大学の過去の臨海実習で蓄積された千を越える海洋生物の写真・動画データに基づいており,偶発的な生物採集や種同定,発生過程の観察など様々なプロセスをオンライン上で疑似体験することによる分類学の理解や基礎的な研究手法の習得を目的とする.本稿では開発中のプラットフォームの概要及び,実際の授業における使用方法や応用可能性の検討について報告する.