日本科学教育学会年会論文集
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Print ISSN : 2186-3628
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論文集
小学生の物理レベルの視点転換能力と社会レベルの視点転換能力の関係に関する一検討
*佐々木 弘記
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抄録

小学生の物理レベルの視点転換能力と社会レベルの視点転換能力の関係を調べるためにO県内の2つの小学校の第3,第4学年の児童73人を対象として調査を実施した.物理レベルの視点転換能力の調査については,ピアジェの「3つの山問題」を援用した課題を,社会レベルの視点転換能力の調査については,役割取得能力の発達段階を調べる課題を用いた.調査の結果,前者の正答数と,後者の発達段階の段階数との間に相関関係が見られなかったことから,物理的レベルの視点転換能力と社会レベルの視点転換能力はそれぞれ独立して発達していくことが明らかになった.この結果は5~6歳の幼児を対象に行った先の調査結果と一致した.よって,当初は物理レベルの視点転換ができるようになってから社会レベルの視点転換を促す学習活動を行うという順序を想定していたが,必ずしもその必要がないことが示唆された.

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