主催: 一般社団法人 日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会第48回年会
回次: 48
開催地: 函館工業高等専門学校
開催日: 2024/09/13 - 2024/09/15
本稿の目的は,国際的な視点に立ち,数学教育に関わるリスク研究に関わる論考を調査し,初等中等教育におけるリスク社会に対応した数学教育のあり方の示唆を得ることを目的とする.そのために,国際的な数学教育ジャーナルThe Mathematics Enthusiastのリスクの特集号に掲載されている26本の論文を調査した.26本の論文の全体の傾向として,確率・統計に偏っていること,条件付き確率やベイズの記述が多いこと,二重過程理論やプロスペクト理論の記述が多いことが分かった.また,社会正義を数学教育で扱うことに関連して「可謬主義」の立場に立つことを明らかにした.また,カリキュラムにおけるリスクの扱いを取り上げて分析を行った.