抄録
高専や大学における数学教育では,担当する教員が図形教材を活用しながら様々な工夫を行うなど,日々教材研究を進めている.これらの図形教材は,教科としての数学における学習内容の理解を助けるものである.一方,高専や大学のカリキュラム設計上でも重要な位置づけとなるPBL科目等をはじめとして,様々な分野に現れる数学的内容を学ぶ場面においては,教科としての数学とは異なる学生の様子がうかがえる.扱う内容に対する興味から始まり,学生自身の主体的な学びにつながるものも少なくない.本稿では,PBL科目や農学部で学ぶ数学的内容などのいくつかの例を通して,教科としてではない数学的内容の学びについて考察する.