主催: 一般社団法人 日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会第48回年会
回次: 48
開催地: 函館工業高等専門学校
開催日: 2024/09/13 - 2024/09/15
留の実験体験には化学の基本原理に属す複数の概念が関わり,教育上大きな意義を有する.また,複数の器具を扱うという点で学習者の実験スキルの向上にも大きく寄与する.しかし,実際には理科教員を志す学生ですら蒸留操作を体験していない割合が目立ち,ここにリモネンの水蒸気蒸留を大学の化学実験に導入する大きな意義を見ることができる.ただしこのケースには,収率の低さ,再現性の難,未経験者にはリモネンの回収が難しいという3つの問題がある.筆者らはこれらの問題を次の2つの工夫で解決した.(1)リモネン源としてシークワーサージュースを用いる.この工夫により,収率と再現性を確保できる.(2)ハイオレンジLHによってリモネン層を着色する.これは留出物に浮かぶ油滴(リモネン)の目視確認を容易,確実なものとする.ここに報告する条件の下で水蒸気蒸留を行った大学生は,9名全員がリモネンによる発泡スチロールの溶解に成功した.