主催: 一般社団法人 日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会第48回年会
回次: 48
開催地: 函館工業高等専門学校
開催日: 2024/09/13 - 2024/09/15
数学科教育法の講義の際に,挙手の形で簡単なアンケートをしたところ,教員を目指す学生の多くが組立除法を高校生の時に学習していないことがわかった.実際,現在発行されている検定済教科書の半数程度(12冊中7冊)で取り扱われているもののすべて発展学習の扱いであった.肝心な中身も7冊すべてが簡便な計算方法としてその手順を示しているだけである.したがって,学習してきた学生も組立除法に対する印象は「特別な場合にのみ使える技法」に過ぎず,それ以上何かを考察することはなかったようである.そこで組立除法について発展学習としてではなく,通常授業でも扱うことを念頭に指導方法や教材開発について改めて考えてみることにした.本稿では,生徒の質問に答えた過去の事例としてモニックではない1次式で割る場合,2次以上の多項式で割る場合,現行の学習指導要領で重要視されているデータサイエンス教育につながる利用例の一つを紹介する.