主催: 一般社団法人 日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会第48回年会
回次: 48
開催地: 函館工業高等専門学校
開催日: 2024/09/13 - 2024/09/15
数学的モデリングの教材を開発するために,佐伯・川上・金児(2019)は,現実の事象を取り扱った教科書の問題を基に,数学的モデリング過程の部分に焦点を当てた教材に作り替えるための枠組みを設定した.そこで本研究では,実際に枠組みに基づいた授業実践を行い,枠組みの有効性や課題を明らかにすることを目的とした.実際に,中学1年生の数学教科書の問題(比例の利用)を作り替えて,公立中学校第1学年で授業実践を行った.授業では,生徒は,現実の事象について自分たちで情報を収集し,比例を用いて問題を解決したことから,数学的モデリングの過程をある程度経験することができた.そのため,枠組みの中での方法1や方法2については有効であることが明らかになった.一方で,方法3における「数学的結論」の解釈に関して,授業の中での扱い方については今後の課題となった.