主催: 一般社団法人 日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会第48回年会
回次: 48
開催地: 函館工業高等専門学校
開催日: 2024/09/13 - 2024/09/15
本研究では,第6学年理科「生物どうしのつながり」において,マイクロプラスチック(以下,MPs)による生物濃縮のしくみを活用した食の安全に関する科学的判断を促す授業を開発し,「科学的な判断」と「意識の変容」の観点で,授業の効果を分析した.授業では,松山ら(2023)によるシミュレータとアーギュメントを導入し,マグロへの有害物質の蓄積と食中毒予防の視点から食の安全を科学的に判断させた.「科学的な判断」におけるアーギュメントの記述分析では,41名中34名の児童が,生物濃縮のしくみとMPsの性質を活用した科学的判断を正しく行えたことが明らかになった.「意識の変容」における質問紙調査では,特に,日常生活と食中毒予防における科学的判断の有用性を認知させることができた.