救援物資配送を行う車両は主に緊急輸送道路を通行する。緊急輸送道路は発災後の緊急活動を円滑に実行できるように沿道建物や橋梁の耐震化対策が進められている。一方で、救援物資の配送先である避難所は緊急輸送道路に面しているものが少ないため、緊急輸送道路から避難所までのラスト・ワンマイルにあたるアクセス道路が必要になる。しかし、アクセス道路に対しては緊急輸送道路同様の耐震化対策は行われていないため、過去の大規模地震時では道路閉塞が発生し、円滑な救援物資配送を妨げる要因になっている。 本稿では、緊急輸送道路から避難所までのアクセス道路を対象に、道路閉塞要因を考慮したアクセス性の分析を行った。また、避難所へのアクセス性を確保するための事前対策案を検討しその有用性を検証した。