日本科学教育学会年会論文集
Online ISSN : 2433-2925
Print ISSN : 2186-3628
ISSN-L : 0913-4476
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理科授業における認知的柔軟性の発現過程と教師の発話の役割
*岡部 舞白田 真澄
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抄録

本研究は,中学校理科「物質の沸点」に関する授業を対象に,学習者の認知的柔軟性がどのような場面で発現するか,また,それが教師の発話によってどのように支援されているかを明らかにすることを目的とした.分析対象の場面では,学習者が温度の安定性や泡の出現,加熱時間など多様な視点から沸騰を判断し,それぞれ異なる基準に基づいて,沸騰温度について考察していた.学習者の発言には,結論の保留や視点の切り替え,他者の意見との比較を通じた意見の再構成の様子が見られ,認知的柔軟性の発現が確認された.また,教師が学習者の意見の違いを肯定的に扱い,再検討や問い返しを促す発話を行うことにより,学習者の認知的柔軟性の発現に寄与していた.本研究の意義は,認知的柔軟性という概念を導入することで,学習者が科学的概念の獲得する際に生じる認知的葛藤や理解の再構成に向けた思考の揺らぎを具体的に分析しようとした点にある.

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