主催: 一般社団法人 日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会 第49回年会
回次: 49
開催地: 広島大学 東広島キャンパス
開催日: 2025/09/05 - 2025/09/07
本研究では,高校生が専門機関と連携して大気中アルデヒド類の調査に取り組み,その過程で遭遇した高濃度事例を契機として,科学的視点をどのように形成したかを明らかにした。調査は奈良・大阪の4地点において2季節にわたり実施し,奈良でのアセトアルデヒド濃度が他地点と比較して著しく高くなる事例を確認した。この現象は専門家による分析でも説明が難しく,生徒にとって探究的な思考を喚起する契機となった。生徒は,調査結果の考察や研究所の研究員との意見交換,発表準備に至る一連の活動を通して,化学的知見の蓄積だけでなく,化学と社会とのつながりを見出す視点を獲得していった。本実践は,専門機関との連携による環境調査が,科学的視点の形成に寄与する有効な学びの場となることを示しており,今後の教育実践において参考となるものである。