主催: 一般社団法人 日本科学教育学会
会議名: 日本科学教育学会 第49回年会
回次: 49
開催地: 広島大学 東広島キャンパス
開催日: 2025/09/05 - 2025/09/07
本研究は,身近な自然環境を素材とした科学探究活動の教材化を目指し,多様な泉質を持つ群馬県内の温泉地を対象に,その化学的な特徴を調査したものである.調査は2025年3月に,伊香保温泉,小野上温泉,沢渡温泉,草津温泉,万座温泉の5つの温泉地で実施した.現地にてポータブル測定器(pH,電気伝導度),パックテスト,気体検知管を用いて水質および周辺空気の簡易分析を行った.その結果,pHは強酸性(草津温泉,万座温泉)から弱酸性(伊香保温泉),弱塩基性(小野上温泉,沢渡温泉)に至るまで大きな多様性が見られた.また,溶存成分も,鉄(II)イオンを含む硫酸塩泉(伊香保温泉),ナトリウム-塩化物泉(小野上温泉),カルシウムを多く含む硫酸塩泉(沢渡温泉),そして金属イオンを含む強酸性硫黄泉(草津温泉,万座温泉)など,各温泉地で顕著な違いが確認された.これらの多様な化学的特徴を地域の地質と関連づけて考察させる領域横断型の科学探究教材として可能性を秘めていることが示唆された.