抄録
誘電率型水分センサーによる土壌水分測定が近年,多く行われるようになってきている.しかし、その測定においては、センサーが水分を感知する測定範囲や出力電圧と実際の体積含水率の関係を示す校正曲線式に問題がある.比較的安価で小型な点で便利な EC-5 センサーを用い、センサーの影響範囲と水分特性曲線を用いたキャリブレーションを行った.影響範囲はおしなべてセンサー周囲 2 cm 程度であるが,センサー根元の基盤部も埋設することが重要である.校正曲線は,水分特性曲線上で空気侵入値および水侵入値を閾値として二領域に分けそれぞれについて 1 次式を当てはめることで測定精度が上がると考えられた.