2012 年 120 巻 p. 55-60
単一の土壌円筒についてガス拡散係数と通気係数を連続的に測定するための単純で安価な方式を開発した.拡散係数の測定は従来のスライド方式に代えて,試料(内径 10 cm,高さ 6 cm)と拡散室(内径11 cm,高さ 5 cm)の間に設けた網板にプラスティック・フィルム製のシャッターをグリースで貼りつけ,これを引き落とす方法によった.円環形と円形のシャッターを組み合わせることにより,開放を確実にすることができた.通気係数の測定はマリオット瓶で発生させた負圧を利用して行った.通気量はマリオット瓶中の空気の体積と圧力の測定結果から計算した.豊浦砂について測定したガス拡散係数と通気係数の値は既往の研究と近似し,新方式は有用であると判断された.新方式により装置の製作費は40 %に低減すると見積もられた.