土壌の物理性
Online ISSN : 2435-2497
Print ISSN : 0387-6012
120 巻
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
  • 志賀 弘行
    2012 年 120 巻 p. 1-2
    発行日: 2012年
    公開日: 2021/08/26
    ジャーナル フリー
  • 長谷川 周一
    2012 年 120 巻 p. 5-14
    発行日: 2012年
    公開日: 2021/08/26
    ジャーナル フリー
    第 2 次世界大戦後の土壌物理研究は地力保全基本調査事業と土地改良事業の影響を強く受けた.1959年の「土壌の物理性」第 1 号から 2011 年の第 118 号を対象に,10 年区切りで土壌物理研究の動向を振り返った.また,わが国で用いられた専門書,教科書ならびに,土壌物理研究会の出版物を紹介した.土壌物理の社会的貢献という視点から,今までに出されてきた農業生産のための物理性指標を取り上げ,実用上の意義とは別に,現在の土壌物理の知識を加味して解釈すべきことを指摘した.さらに,依然として残されている農業生産上の問題点に触れた.土壌物理学会の目的に環境科学の発展への貢献が加わって 12 年経過したが,環境研究で注目しなければならない点をコメントした.最後に現場に出て研究を行う大切さを強調した.
  • 北川 巌
    2012 年 120 巻 p. 15-20
    発行日: 2012年
    公開日: 2021/08/26
    ジャーナル フリー
    湿潤気候の日本において畑作物の増産を図るには,効率的な農作業性と安定した農業生産性を確保する圃場の排水改良が必要である.特に,最近の極端な気象の条件下では,農業者の排水改良に対する期待も大きい.本報では,畑作物生産における減収要因の一つである湿害に対する排水改良の効果を示す.また,現在の畑土壌に対する排水改良について,積雪寒冷地における取り組みを紹介する.特に,農業で発生する地域の資材を有効活用する簡便な排水改良技術や資材を使用しない新たな低コスト排水改良技術の事例を示す.さらに,各地域の農業や土壌に対応して,各種の排水改良技術を組み合わせることの重要性を指摘する.
  • 井上 京
    2012 年 120 巻 p. 23-28
    発行日: 2012年
    公開日: 2021/08/26
    ジャーナル フリー
    泥炭地は本来,湿地や湿原といった過湿な水文環境におかれた土地であるが,北海道では開発にあたって排水と客土が営々と進められてきた.泥炭地は熱帯にも分布するが,インドネシアやマレーシアの熱帯泥炭地では近年,急激な開発の波にさらされている.とりわけ,オイルパームや紙パルプ用材のプランテーションの開発が大規模に進められている.湿地としての泥炭地再生の取り組みはこれから各地で進められるであろうが,それとともに,農業利用されている泥炭地の適正な管理も重要であり,地盤沈下や微生物分解,熱帯では泥炭火災の発生を抑制できるような泥炭管理のあり方について研究を進める必要がある.
  • 江口 定夫
    2012 年 120 巻 p. 29-38
    発行日: 2012年
    公開日: 2021/08/26
    ジャーナル フリー
    土壌・地下水系内の脱窒は,地球規模の窒素(N)循環において最も大きなブラックボックスを形成すると共に不確実性が非常に大きく,様々な環境中における現場実測値の蓄積とこれを定量的に推定するための簡易モデルの開発が強く求められている.環境中では,脱窒の定量は困難であり,代わりに N除去量が測定される.水田の N 除去速度は,これまで多くの実測値が蓄積され,実践的・汎用的な簡易モデルが開発されつつある.一方,浅層地下水では,現場の三次元的な不飽和・飽和水移動及び溶質輸送を定量あるいは推定した上で N 除去を定量した例はほとんど無い.今後,水田ではさらに様々な条件下での実測値の蓄積とその簡易モデル化が必要であり,浅層地下水ではまず現場実測値の蓄積が必要である.これらの場面で,水移動・溶質輸送の測定・解析を専門とする土壌物理学が果たすべき役割は大きい.
  • 柏木 淳一, 岩田 幸良, 中辻 敏朗
    2012 年 120 巻 p. 39-43
    発行日: 2012年
    公開日: 2021/08/27
    ジャーナル フリー
  • Farook AHMED, Munehide ISHIGURO, Kazuki MORIGUCHI, Takeo AKAE
    2012 年 120 巻 p. 45-54
    発行日: 2012年
    公開日: 2021/08/26
    ジャーナル フリー
    界面活性剤の吸着特性を明らかにするためには,土壌と水環境中での界面活性剤の挙動の理解が重要である.しかしながら,多腐植質土壌の吸着に関する研究は少ない.本研究では,アニオン性界面活性剤であるドデシルベンゼンスルホン酸の吸着を検討した.非アロフェン質黒ボク土を用いたのは,この土が多量の腐植質を含み,負荷電のみを有するためである.その結果,土粒子と界面活性剤の間には,電気的には反発力だけが生じる.吸着量は,土粒子表面近傍の電場を遮蔽し疎水的反応を強調するため,100 mmol L-1NaCl の電解質濃度下で測定した.吸着等温線には Langmuir‒Freundlich‒Hill の式を用いて分析した.ドデシルベンゼンスルホン酸の吸着量は,低濃度領域において濃度の上昇とともに急激に増大した.この急激な増大は,吸着された界面活性剤の炭素鎖間の疎水性相互作用による協同吸着を示唆した.吸着量は土粒子と界面活性剤の間の静電的反発が減少するために,低 pH でより高い値となった.直鎖型炭素鎖を持つドデシルベンゼンスルホン酸の吸着は炭素鎖構造の違いにより,分岐型のそれよりも高い値を示した.
  • Purwoko Hari KUNCORO, KOGA Kiyoshi
    2012 年 120 巻 p. 55-60
    発行日: 2012年
    公開日: 2021/08/27
    ジャーナル フリー
    単一の土壌円筒についてガス拡散係数と通気係数を連続的に測定するための単純で安価な方式を開発した.拡散係数の測定は従来のスライド方式に代えて,試料(内径 10 cm,高さ 6 cm)と拡散室(内径11 cm,高さ 5 cm)の間に設けた網板にプラスティック・フィルム製のシャッターをグリースで貼りつけ,これを引き落とす方法によった.円環形と円形のシャッターを組み合わせることにより,開放を確実にすることができた.通気係数の測定はマリオット瓶で発生させた負圧を利用して行った.通気量はマリオット瓶中の空気の体積と圧力の測定結果から計算した.豊浦砂について測定したガス拡散係数と通気係数の値は既往の研究と近似し,新方式は有用であると判断された.新方式により装置の製作費は40 %に低減すると見積もられた.
  • 宮本 輝仁
    2012 年 120 巻 p. 61-65
    発行日: 2012年
    公開日: 2021/08/27
    ジャーナル フリー
    Or(2001)が指摘したように,テンシオメータの原型は Livingstone の開発した自動潅水装置であったが,Buckingham の毛管張力に基づく不飽和流れに関する運動理論をもとに「毛管力による土壌中の水移動」や「毛管ポテンシャルとその土壌水分係数との関係」などの研究に取り組んできた Willard Gardner によって土壌物理学の中で不飽和流れに関する運動理論を研究する際の有用な測定装置としてテンシオメータを位置付けられたことを Gardner et al. (1922)をもとに紹介した.その後,圃場におけるマトッリクポテンシャルの測定装置としてテンシオメータの改良が進み,フィールド科学としての土壌物理学が発展していく礎となった.
  • 渡辺 晋生
    2012 年 120 巻 p. 67
    発行日: 2012年
    公開日: 2021/08/27
    ジャーナル フリー
  • 中辻 敏朗
    2012 年 120 巻 p. 69
    発行日: 2012年
    公開日: 2021/08/27
    ジャーナル フリー
  • 笛木 伸彦
    2012 年 120 巻 p. 72
    発行日: 2012年
    公開日: 2021/08/27
    ジャーナル フリー
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