抄録
UAS リモートセンシングで土壌の物理化学性を推定する際,撮影高度とピクセル抽出範囲は精度を左右する要因となる.本研究は,高度60 m(解像度5 cm/pixel)と140 m(10 cm/pixel)で撮影した水田の裸地と湛水の画像について,4 サイズのバッファー円(半径0.3,0.5,1.0,1.5 m)でピクセル抽出範囲を設定して分光指数を作成し,これらの要因が土壌化学性との相関に与える影響を検証した.高高度の画像は相関が高く,撮影高度を上げて解像度を下げることにより,作物残渣や影などの夾雑ピクセルの影響が低減された.ピクセル抽出範囲が拡大すると高相関となるが,半径1.5 m で相関が下がるケースもあった.バンド反射率の統計値は半径1.0 m からデータ範囲が広がり,多様なピクセルが含まれることで相関が上がるが,大きすぎると夾雑ピクセルを含むため,バッファー半径を1.0 m とすることが適切と考えられた.