抄録
日本では,ダイズの大半は水田転換畑で栽培されているが,その収量は低い.その原因として,これまで,排水不良に伴う湿害や夏季の干ばつ,可給態窒素の減少が挙げられ,重点的に研究が行われてきた.一方で,これまで注目されることが少なかったのが,特に粘土質な転換畑において顕著な,耕うん時の砕土不良である.砕土不良な作土層では,乾燥が速やかに進むことで,ダイズ種子の出芽に悪影響を及ぼす.本稿では,粘土質転換畑における砕土性,ダイズ種子の出芽に適した土塊の大きさ,土塊から成る土壌に特異な不飽和液状水移動および水蒸気移動と,それによりもたらされる土壌の乾燥について,既往の研究を整理した.合わせて,砕土不良に対処するために開発された営農技術についても紹介した.以上の内容を踏まえ,今後取り組むべき研究課題を提示した.