土壌の物理性
Online ISSN : 2435-2497
Print ISSN : 0387-6012
水質が土壌構造と透水性に与える影響
福村 一成穴瀬 真三原 真智人
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1996 年 74 巻 p. 3-15

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抄録
米国の3 土壌(Gila silf loam, Saneliciay loamとGlendale silty clay)について,浸透水中の塩類濃度, 成分( 電気伝導度EC0.4〜4.8 dSm-1, SAR0〜20) , 懸濁土粒子の有無が透水係数(HC)に及ぼす影響を室内土壌カラムを使い実験的に考察した。浸透水SAR値が0以外の場合,全3 土壌でH Cが減少し,減少量はS A R/ ECの指数関数で表現された。浸透水に懸濁土粒子を加えた時, GilaとSaneliではHCが1/4〜1/7に減少したが, Glendaleでは顕著な減少はなかった。高SARと低ECの組み合わせが土壌団粒の直径0.18mm付近の崩壊を引き起こしHCの減少をまねいていた。以上の結果から,播種前リーチングで重要な耕起直後の圃場透水性管理は土壌と水質の両面から行われる必要がある事がわかった。
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© 1996 土壌物理学会
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