日本蚕糸学会 学術講演会 講演要旨集
日本蚕糸学会第73回学術講演会
セッションID: 329
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家蚕の高温処理が二型精子形成に及ぼす影響
*山舗 直子佐原 健
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抄録
家蚕において、前蛹期から蛹期の高温は雄の不妊を誘導するが、幼虫期の高温はそうではなく、高温感受性が発生時期によって異なる事が知られている。本研究では、「大造」を用い、吐糸期から96時間、5齢起蚕から96時間、または4齢起蚕から5齢96時間までの間、33℃の温度条件下での飼育を行い、各実験群において、その精子形成に現われる影響を微細構造を含めて形態学的に調査した。吐糸期は、大部分の有核型精子形成細胞が減数分裂を終了して精子変態期にあり、無核型が減数分裂を開始する時期に相当する。Sahara and Kawamura (2002)は、吐糸期からの高温処理では、主に無核精子に異常が生じ、これが不妊の原因てある事を明らかにしている。今回、異常を起している無核精子束において、鞭毛軸糸を構成する微小管の9+2構造が崩壊している事を電顕観察で確認した。一部の有核精子束にも異常があり、それらにおいても軸糸の構造破壊を確認した。一方、4齢から5齢にかけての幼虫期は、大部分の有核型精子形成細胞が減数分裂を行う時期に相当する。この時期の高温処理では、無核精子形成はもちろん有核精子形成にも異常は誘導されなかった。
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© 2003 社団法人 日本蚕糸学会
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