【目的】当科で経験した重症軟部組織感染症症例の重症度評価と転帰の関連を検討した。
【方法】2018年5月から2021年1月に当科にて緊急で外科的介入を必要とした重症軟部組織感染症19症例を対象とし,診療録を基にして後ろ向きに調査した。
【結果】転帰は,生存13例,死亡4例,不明1例,入院中1例だった。19症例のうち,LRINECスコアが6点未満にもかかわらず臨床診断で壊死性筋膜炎もしくはガス壊疽と診断した症例は2症例だった。LRINECスコアと臨床診断での乖離があったため,生存群と死亡群に分け,有意差の比較を行い,クレアチニン・臨床診断でのみ有意差がみられた。
【考察】LRINECスコアと臨床診断の乖離がある場合には臨床診断を重要視し,診断に準じた治療を行うことで患者の救命につながる可能性がある。