抄録
母趾切断後は残存する隣接趾に claw toe などの変形をきたし,擦れなどの外傷から潰瘍を形成しやすく,隣接趾も切断にいたる症例を経験する。2002年12月~2010年5月に当院で母趾のみの切断を施行した28症例について母趾切断後の隣接趾の変形・潰瘍形成,切断部位との関係性について検討した。母趾切断後28.5%に潰瘍形成を認め,60.7%に隣接趾変形を認めた。隣接趾変形を認めたうち92.8%が中足趾節(metatarsophalangeal joint, MTP)関節を含めた切断後であった。母趾MTP関節を含めた切断では隣接趾変形をきたしやすく,長期的な経過観察と適した足底板,踏み返し制限を目的とした隣接趾の変形予防に対するフットケア,潰瘍再発を防ぐための適したフットウェアの作製が重要と考えられた。