抄録
CLI (重症下肢虚血 : critical limb ischemia) では, 血行再建術を行い十分に局所への血流を改善させたにもかかわらず, 足部切断後に断端部の創治癒遅延や壊死拡大を認めることがある。血行再建術によって増強し得た血流が, 手術侵襲自体により低下したことが一因であると考えられる。手術侵襲による局所血流の低下を防ぐために, われわれは横断的中足骨切断術 (TMA : transmetatarsal amputation) を行う際, 足背動脈と外側足底動脈の arterial-arterial connection が存在する中足骨間の軟部組織をできるかぎり温存する modified TMA を施行している。末梢血行循環を維持できるため, 原法の TMA と比較し切断後の創治癒率は 95% と高率である。また, TMA 後の歩行維持率は 86% であり, 歩行機能の維持が可能であった。