熱帯農業
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ダイズ種子のTTC呈色パターン及び発芽率に及ぼす貯蔵の影響
スリピチット アロム縄田 栄治重永 昌二
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1988 年 32 巻 2 号 p. 95-103

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抄録
仮想熱帯条件下におけるダイズ種子の発芽力に及ぼす種子含水率・貯蔵時間の影響及びその品種間差異を調査した.“秋田大豆”・“玉錦”・“早生緑”の3品種を用いた.各品種共, 供試種子の5分の4は貯蔵開始前に約6・8・10・12%に含水率を調整し, ガラス容器に入れ密封した後貯蔵した.残りの5分の1は入手時の種子含水率のまま同様のガラス容器に入れ, ふたを開放した状態で貯蔵した.全ての種子は, 温度26±1℃, 湿度80±5%で貯蔵した.12カ月の貯蔵期間中, 2カ月毎にサンプルを取り出し, 含水率, 発芽率, TTC呈色パターンを測定した.
当初の種子含水率が6・8・10%の種子では, 貯蔵期間中殆ど含水率の変化が認められなかった.貯蔵前の含水率が12%の種子では, 貯蔵中に含水率が1%近くも増加した.この実験区では, 高含水率による種子の呼吸活性上昇のためガラス容器内の相対湿度が上がり, それにより種子含水率が増加したと考えられる.当初含水率を調整しなかった種子では, 貯蔵開始後急速に含水率が高まり, 短期間で貯蔵条件下の相対湿度 (80±5%) と平衡に達した.
発芽率は, 貯蔵期間が長くなるにつれて, また当初の含水率が高くなるにつれて低下した.品種間の発芽力の差異は貯蔵前の種子活力の違いによるものと思われる.高い活力を有する種子を用い, 当初の含水率を6または8%に調整した後密閉貯蔵すると, 高温高湿下でも12カ月間発芽力が保たれることが明らかとなった.
TTCによる呈色反応により種子を, I群 (完全に呈色する種子) , II群 (一部呈色しない部分があるが発芽は可能と思われる種子) , III群 (一部呈色する部分があるが発芽は不能と思われる種子) , IV群 (全く呈色しない種子) の4つの群に分類した.種子活力の高い品種を低含水率で貯蔵すると, 貯蔵期間が長くなるにつれ, 発芽率が変化していないにもかかわらず, I群に含まれる種子が減少し, II群に含まれる種子が増加した.このことは, 種子内部で劣化が進行している事を示している.II群に含まれる種子は初期の劣化の兆候を示していると考えられ, これらは種子内の脱水素酵素活性の変化或は膜構造の崩壊によるものと思われる.また, TTCテストによる可発芽種子 (I群及びII群に含まれる種子) の割合と発芽率との間には高い相関が認められた.
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© 日本熱帯農業学会
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