抄録
現行の道路計画設計では、ある条件のもと設定された種と級、並びに設計速度によって横断面構成や線形要素などの道路構造が決定される。しかし、これは、個々の道路が本来担うべき機能とサービス水準を保障したものではない。特に、通行機能が重要視される道路においては、目標旅行速度を明確にしたうえで、現状におけるそれらの達成状況と道路改良等による達成の可能性を照査する必要がある。そのためには、旅行速度を低下させる要因とその関係を定量的に明らかにする必要がある。本研究では、その一環として、道路構造と旅行速度との関係について分析を行い、縦断線形、車道幅員、平面線形と旅行速度とは一定の関係がみられることを明らかにした。さらに、これらを定式化し、一定の速度サービスを実現するための道路構造条件を提示することができた。