本研究は、高速道路のサグ渋滞発生時の交通容量増大を目的として、追越車線の走行車両に LED 表示板等により車線変更を働きかけ、車群を分断して減速波の伝播、増幅を回避する方策の効果を検証した。 4 回にわたる渋滞発生状況を 11 台のビデオカメラにより撮影し、約 1.2km の観測区間において個々の車両の 1/30 秒毎の走行軌跡データを推定し、渋滞発生直前の実際の車線変更挙動データを計 177 サンプル抽出した。これらに基づき、前方/後方ラグ等とそれらの交互作用項を説明変数とする微視的車線変更モデルを同定し、約 83%の的中率を達成した。このモデルをモンテカルロシミュレーションに適用し、30%の運転者が車線変更の意志を有した場合には、隣接車線で渋滞を誘発することなく車群分断できる可能性を示した。