抄録
高速道路の道路管制では、本線上に設置されている車両感知器や CCTV 画像、道路巡回で検知した渋滞や交通事故、故障車等の様々な事象を可変情報板やラジオ等の道路交通情報提供装置により提供している。提供内容は現在の交通状況が対象となっており、将来の交通状況の変化については提供されていない。本研究では交通事故、工事、故障車といった突発事象発生時における所要時間予測システムを構築し、広島空港利用者 20 名を対象とした情報提供実験を 3 ヶ月間実施した。実験に際しては、GPS による移動データと WEB ダイアリーによる日々の意識データの取得を行い、空港アクセス行動の変化を分析した。分析の結果、突発事象発生情報と予測所要時間情報が利用交通機関や出発時刻等の行動変更を支援したことを明らかにし、これら情報提供の有用性を実証した。