2025 年 11 巻 1 号 p. 1-10
車線変更時には、ドライバーは将来の周辺車両の挙動を予測して自らの行動を選択する。またこの際、どこまでの周辺車両の挙動を認知することができるかによって、最適な行動は変わる。本研究ではこのような不完備情報下の車線変更行動について展開ゲームに基づく定式化を行った。また自動運転車両・手動運転車両の認知能力の差に着目し、混在状況における車線変更行動ともたらされる交通状態の分析を試みた。加えて自動走行車両の協調制御を通じて、混在流において交通状態を改善する手法を提案した。提案手法では社会受容性の観点から、協調制御に参加するインセンティブを常に保証できるよう、オークション理論を用いた動的プライシングの手法とその理論的性質について示した。