車線変更時には、ドライバーは将来の周辺車両の挙動を予測して自らの行動を選択する。またこの際、どこまでの周辺車両の挙動を認知することができるかによって、最適な行動は変わる。本研究ではこのような不完備情報下の車線変更行動について展開ゲームに基づく定式化を行った。また自動運転車両・手動運転車両の認知能力の差に着目し、混在状況における車線変更行動ともたらされる交通状態の分析を試みた。加えて自動走行車両の協調制御を通じて、混在流において交通状態を改善する手法を提案した。提案手法では社会受容性の観点から、協調制御に参加するインセンティブを常に保証できるよう、オークション理論を用いた動的プライシングの手法とその理論的性質について示した。
本研究は,観測時期が必ずしも連続で一様ではない任意の観測から得られる観測データを利用して,道路施設の生存関数をノンパラメトリックに推定する手法を提案するものである.これまで我々は,LBS(Length-biased Sampling)の立場で推定手法を提案してきたが,施設の生存を確認する観測機会が生存期間に対して連続して一様分布するという仮定が必要であった.本研究は,この仮定を必要としないより一般的な観測機会にも適用できる方法を提案するものである.ただし,生存開始時期が不明の左打切りデータは対象外としている.その結果,生存関数を推定する尤度関数は,観測機会に依存しないことを明らかにするとともに,生存期間の長さを考慮した LBS に基づく推定法と,長さを考慮しない NS(Natural Sampling)に基づく推定手法の類似性を明らかにした.実データを用いた検証を行い,提案手法の推定精度の確認を行うとともに,実務への適用性について考察を加えた.
本研究はANPモデルを構築し、MaaSが正式に導入されていない地方都市の住民がMaaS機能、利便性、経済性に対する見解とその背後の動機を分析し、これら指標の重要度と住民の特徴の関連性を調査した。その結果、地方都市の住民は公共交通機関を利用する際に、MaaS機能の重要度が全体の33.6%を占め、具体的な機能においては、複合経路検索機能とサブスクリプション機能に対する関心が高く、さらにサブスクリプション機能の利用経験のある住民は公共交通の利用頻度が明らかに増加していることが分かった。また、年齢が上がるにつれて、住民は移動における負荷の軽減に重きを置き、決済機能や情報統合機能への関心が次第に低下し、運賃への関心も低下する傾向が明らかになった。
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