2025 年 11 巻 2 号 p. A_100-A_108
本研究は、歩行者交通量の異なる複数の駐車場出入口における入出庫車両と歩行者・自転車の錯綜状況を調査し、誘導員がいない場合の走行状況や危険事象の発生状況について定量的に把握した。その結果、歩行者交通量の多い都心部に設置された出入口では歩行者交通量が多いために、出入口付近に歩行者がいるにもかかわらず、先に入出庫を行うような錯綜事象が多く発生していることが示された。また、都心部・郊外部ともに、右折入庫の際には左折入庫と比較し、通過時間差の短い比較的危険な錯綜事象が多く発生していることが明らかになった。加えて歩行者・自転車よりも先に入出庫を行うような錯綜事象では、歩行者・自転車の通過を待って入出庫を行う錯綜事象よりも通過時間差が短くなる傾向が示された。