2025 年 11 巻 2 号 p. A_244-A_249
近年、多様なモビリティの普及が図られる中、電動キックボードは、持続可能で利便性の高い交通サービスとして国内外で注目されている。本研究では、電動キックボードを含めた一人乗りのマイクロモビリティについて、社会面、経済面、環境面からの総合的な評価を実施した。具体的には、第一種原動機付自転車及びこれより小規模な一人乗りのモビリティをマイクロモビリティと定義し、徒歩と軽乗用車を含めた 6 種類の交通手段に対して、経済面、社会面、環境面からの影響を 1km あたりの貨幣価値(円/km)に換算して算出した。その結果、電動キックボードよりも徒歩や自転車の方が社会経済環境便益の大きな交通手段であることが示された。また、感度分析の結果、電動キックボードは他のモビリティと異なり、安全面に関する要素の影響が大きいことが示唆された。