2025 年 11 巻 2 号 p. A_250-A_256
本研究では、巨視的交通解析手法に基づく交通流予測の制約を踏まえて、車群内の微視的追従挙動モデルの枠組みとその評価を試みる。東名/新東名高速でOBDを用いた走行実験を実施し、得られた膨大なデータを画像処理した上で走行車両前後の車両の相対座標をデータベース化した。解析では車群位置を相対グラフとして扱った上で、時系列の位相推移の予測手法としてLong-Short Term Memory (LSTM)とGraph Neural Network (GNN)のモデル比較を行なう。感知器/検知器/カメラ間において一定の巨視的物理的法則を仮定し交通予測をする従前の方法に対して、車群内の創発的機構に基づく速度の低下はLSTMを用いても再現することは難しく、車群の位相関係をモデル化したGNNの再現性が顕著に向上することを明らかにした。