ワイヤロープ式防護柵は支柱が細く、車両が衝突した時の衝撃を緩和し、設置のための必要幅員も少ないことから、高速道路暫定二車線区間土工部に標準設置するレーンディバイダーとして採用された。その結果、令和 5 年 3 月末迄に全国で 1,400km 以上の区間に整備され、普及が進む過程で、ワイヤロープ式防護柵端部の斜めに張られたワイヤロープに車両が乗り上げて、ジャンプする事故が発生した。対策として、乗用車がワイヤロープ式防護柵の端部に衝突したときに、対向車線に飛び出さない能力を有しながら、衝突車両の乗員保護のために衝撃を吸収する緩衝装置の設置を検討した。本稿は、ワイヤロープ式防護柵の端部衝突事故対策としてガードレール型緩衝装置の開発について報告する。