2025 年 11 巻 2 号 p. B_8-B_16
近年、わが国では、少子高齢化、人口減少に伴い、公共交通機関の利用者数が減少し、地方都市では鉄道やバス路線の廃止、減便等がみられる。本研究は、前橋市の市民団体が提案した BRT 路線計画案について、従来から交通実態の把握に用いられている都市圏パーソントリップ調査データに加え、近年使用が可能となった交通データを用い、複数の交通データを用い評価することを目的とする。群馬県 PT 調査データ、交通系 IC カードデータ、人流データを使用し、BRT 路線計画案を評価した。その結果、路線計画案は前橋市の他地域との相対的な比較において BRT を導入するために適切な路線であることがわかった。また、分析を通じ各交通データの特性を把握した。評価結果を市民が参加する公開シンポジウムで発表し、市民団体と大学提案の公共交通計画として公表した取り組みを報告した。