高齢運転者向け認知機能検査の結果通知の場面においてメタメッセージの存在が明らかとなっている.そうした中,改正道路交通法の施行(2022年5月)により認知機能検査制度の変更が為された.そこで本研究では,記載内容が変更された新版結果通知書のメタメッセージ緩和効果分析を通じ,検査制度変更の影響を評価した.方法として,65歳以上の高齢運転者2,000名を対象に,事前アンケート/模擬認知機能検査/結果通知書の提示/事後アンケートから成るWeb調査実験を行った.その結果,新版結果通知書は,運転に対する自信等を緩和する効果を有していることが確認された.しかしながら,制度変更前の第2分類相当においては,変更後にて「認知症のおそれなし」と判定されることで,新たにメタメッセージを受け取るリスクが存在することが明らかとなった.