交通工学論文集
Online ISSN : 2187-2929
ISSN-L : 2187-2929
11 巻, 3 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
論文 (1) 基礎・応用学術研究
  • 榊原 肇, 大口 敬
    2025 年11 巻3 号 p. 1-10
    発行日: 2025/04/01
    公開日: 2025/04/01
    ジャーナル 認証あり

    15 交差点で構成される路線全体の最小遅れ時間を与えるオフセットパタンを求めた先行研究によれば、こうしたオフセットパタンは多数存在し、この遅れ時間は、理論最小値に等しいか大きい。多数存在する理由は、一般的な隣接リンク同士のどちらか 1 リンクの遅れ時間は小さくできても、隣接リンク同士を同時に小さくすることはできず、相互の取合いの範囲で複数の組合せがあるためである。本論文で提案するクラスタリング手法を用いて類似パタンを束ねれば、一般に複数交差点で方向が反転する一方向の優先パタンの組合せで構成される傾向が見いだされ、路線の途中で優先方向を切り替えることで、路線全体の両方向の遅れ時間を平等にできる可能性がある。そこで、遅れ時間と停止回数にこの平等性を加えた 3 変数のパレート最適設計に基づき、系統制御オフセットパタンを探索する方法を提案する。

  • 渡邊 芳樹, 谷口 綾子, 張 詠皓
    2025 年11 巻3 号 p. 11-21
    発行日: 2025/04/01
    公開日: 2025/04/01
    ジャーナル 認証あり

    高齢運転者向け認知機能検査の結果通知の場面においてメタメッセージの存在が明らかとなっている.そうした中,改正道路交通法の施行(2022年5月)により認知機能検査制度の変更が為された.そこで本研究では,記載内容が変更された新版結果通知書のメタメッセージ緩和効果分析を通じ,検査制度変更の影響を評価した.方法として,65歳以上の高齢運転者2,000名を対象に,事前アンケート/模擬認知機能検査/結果通知書の提示/事後アンケートから成るWeb調査実験を行った.その結果,新版結果通知書は,運転に対する自信等を緩和する効果を有していることが確認された.しかしながら,制度変更前の第2分類相当においては,変更後にて「認知症のおそれなし」と判定されることで,新たにメタメッセージを受け取るリスクが存在することが明らかとなった.

  • 上畑 旬也, 赤羽 弘和, 香取 樹, 大宮 博之, 野中 康弘
    2025 年11 巻3 号 p. 22-35
    発行日: 2025/04/01
    公開日: 2025/04/01
    ジャーナル 認証あり

    本研究では、工事規制始端における合流および並走車を対象とし、各車両と規制始端を頂点とする多角形の辺長和を頂点数で除した錯綜指標 n-PIC を提案した。ビデオ観測に基づく走行軌跡推定データにより、従来の錯綜指標に対して合流前後で連続的に、かつ規制始端で合流が強制された状況のリスク評価に適用できる特徴を示した。無規制区間における観測データにより再同定した車線変更モデルの判別得点と n-PIC 値とから、高/低リスクの閾値を 30.0mと設定した。また、高交通流率時を除く無規制時 33 ケースと規制時高リスク 6 ケースとから、判別得点と n-PIC 値による区分には一定の適合度が確認された。さらに、n-PIC 値により区分された低リスク 34 ケースと高リスク 28 ケースの加速度の極値の平均値の差は符合別に高度に有意となった。

feedback
Top