冬期の札幌市では大雪に伴いひどい交通渋滞が発生する.本研究では,交通渋滞の対策である運搬排雪と拡幅除雪が交通流状態に与える影響について分析する.交通渋滞の要因としてブレイクダウンが考えられる.ブレイクダウンの発生有無を捉えるため,集計QK図上に発現するヒステリシスループの面積を用いる(以降,ループ面積). ヒステリシスループの拡大は平均速度の低下に加え交通容量の低下を表現するからである.本研究ではループ面積を,ブレイクダウンの発生可能性を含めた交通流状態を示す代理変数として用いる.ループ面積の変化を分析した結果,運搬排雪・拡幅除雪に伴って減少する傾向を捉えた.ループ面積が,運搬排雪・拡幅除雪が交通流状態に与える影響を示す指標としての有効性を示唆した.