2016 年 2 巻 5 号 p. 11-20
本研究は、仙台市、京都市の一般道路ネットワークを対象として、車両存在台数と走行台キロを関係付ける Macroscopic Fundamental Diagram (MFD) の特性を実証的に明らかにすることを目的とする。5 分刻みの感知器データから描かれる MFD を 1 年間 (2012/5/1 ~ 2013/4/30) に渡って調べた結果、2 つの都市のMFD には次の顕著な特性があることが明らかとなった:(1) 仙台市の悪天候でない平日午前では、MFD 上にヒステリシス・ループが常に発現する、(2) 京都市の休日のMFD では 1 つの大きなループが発現する場合があり、かつ、このループの形成過程において、走行台キロがほぼ一定レベルを維持したまま車両存在台数のみが増加し続ける。さらに、これらの現象を渋滞パターン(渋滞延伸数およびその空間分布)と関連付けて分析する。