2017 年 3 巻 2 号 p. A_135-A_144
往復 2 車線高速道路におけるユーザーの認知する質に近いサービス指標として追従時間率および追従車密度がある。これらの指標の算出にはこれまでは車両感知器データを用いざるを得なかったが、蓄積が進むプローブデータを交通流シミュレーションのキャリブレーションに用いることで、空間連続的に推定可能と期待される。常磐道暫定 2 車線区間におけるケーススタディの結果、600pcu/h を超えるような高い交通量レベルでは追従時間率および追従車密度ともに付加追越車線終端部直後から高い値を示す一方、400~600pcu/hでは両指標とも概ね諸外国の基準に比べて遜色ない水準を保つことが示される。 ただし縦断線形などに因ると思われるプローブ速度の変動に比べて両指標の変動は小さく、局所的なサービス低下を検出するのに適した指標かどうかの検証が今後必要である。