2017 年 3 巻 2 号 p. A_178-A_186
高品質な道路整備のためには、道路を利用する交通の特性を把握することが欠かせない。近年では、継続的な交通量の観測データが利用可能になってきたことから、本研究はそれらの時系列データから、状態空間モデルの枠組みを用いて交通特性を明らかにすることを目的としている。より具体的には高速道路の IC ペアごとに、季節、曜日、時間帯による変動、さらに超過需要による影響を考慮して変動特性を求めるものである。事例研究として中央自動車道の八王子料金所を通過する 1 年間の ETC 時間交通量を IC ペアごとに周期変動やトレンドなどの状態推定を行った。その結果季節や曜日、時間帯の大きな変動が観測される IC がある一方、曜日変動が小さく時間的変動も異なるなど、IC ペアによる特性が抽出でき、高速道路の交通需要特性を明確にした。