2017 年 3 巻 2 号 p. A_246-A_254
集約型都市を目指した活性化策の取り組みが全国各地で実践されており、中心市街地回遊行動に関する研究は多いものの、それら取り組みに対する事前の効果分析や評価が十分に実務に活かされていない。 本研究では、中心市街地内を複数の街区ノードに分割し、各ノードの選択確率を算出する回遊行動モデルを構築した。さらに街路満足度などの来街者特性を考慮するモデルへと発展させ、街路空間整備やソフト対策等による来街者評価によって、中心市街地への影響を分析・評価することが可能となった。また、長野市中心市街地においては、年代別の運動能力指数が回遊行動に大きな影響を及ぼしていることが明らかとなり、回遊許容距離が年代によって異なっていることを示すことができた。さらに算出した選択確率を適用し、中心市街地内の通行量推計を行った。