本研究は、スイス・チューリヒ州の約 3,500 人に約 1 週間取り付けた GPS データを用いて、非集計選択モデルへの適用を念頭においたルールベースの簡易なデータ処理方法により選択肢集合を生成し、その有用性を検討するものである。GPS データの処理方法については、①買い物トリップの抽出、②活動場所の座標位置特定、③自宅と職場・学校の場所特定、の 3 つを対象にルールを提案した。選択肢集合は自家用車、徒歩、公共交通の交通手段別に生成した。提案した手法により処理されたトリップデータをスイス国勢調査と比較し、分析結果の妥当性を検討した。また、本研究で生成した方法の妥当性を確認する位置づけで食料雑貨店選択行動分析を行った。各パラメータは概ね期待通りの結果が得られたことからも、本研究で提案した GPS 処理方法は概ね適切であったことが示唆される。