交通工学論文集
Online ISSN : 2187-2929
ISSN-L : 2187-2929
特集号B(実務論文)
飲酒運転取締りの飲酒運転事故抑止効果
萩田 賢司森 健二横関 俊也矢野 伸裕
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キーワード: 飲酒運転, 交通事故, 取締り
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2017 年 3 巻 2 号 p. B_22-B_27

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抄録

飲酒運転取締りによる飲酒運転事故抑止効果を明らかにするために、GIS による飲酒運転取締り・飲酒運転事故の統合分析ツールを活用した分析を行った。東京都と岡山県のデータを活用して、飲酒運転取締り地点の近接空間の飲酒運転事故件数を、飲酒運転取締り前後で比較したところ、岡山県は事後に飲酒運転事故が大きく減少していたが、東京都はそのような傾向がみられなかった。この原因としては、飲酒運転厳罰化により、東京都では 15 年間で飲酒運転事故が約 95%も減少し、加えて代替交通機関も発達しており、飲酒運転取締りによる飲酒運転抑止効果が表れにくい悪質運転者による飲酒運転が多く残されているためと推察される。岡山県の減少率は約 65%であり、飲酒運転取締りによる飲酒運転事故抑止効果が出現する余地があるのではないかと考えられた。

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© 2017 一般社団法人 交通工学研究会
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