2017 年 3 巻 2 号 p. B_61-B_66
愛知県東三河地域における 1 年間の全てのデジタルタコグラフ導入タクシー車両の日報データを分析することで、同地域におけるタクシーの利用実態を明らかにするとともに、タクシーを活用した公共交通施策の可能性についても検討を行った。その結果、月・曜日・時間帯といったタクシー利用の時間的変動や、駅を中心とした放射状の利用が多いといったタクシー利用の空間的分布が明らかになった。また、迎車の場合には短距離利用が多いこと、縁辺部の地域においては平均利用金額が高いといった利用実態も明らかになった。さらに、公共交通施策としてタクシー料金の助成を行った際に必要となる費用に関して試算した結果、縁辺部の地区において、タクシーを活用した施策はデマンド型交通の導入よりも、公共交通施策として費用効率的となる可能性が示された。