2017 年 3 巻 4 号 p. A_64-A_73
本研究では、高齢運転者の交通事故発生特性の把握の必要性及びヒヤリハットデータの交通事故分析への利用可能性を示すため、運転者の人間的要因とヒヤリハット・交通事故の関係を明らかにするために高齢運転者を対象としたアンケート調査を用いて分析を行い、関係を定量的に示した。分析結果より、高齢運転者に対する二つの知見が得られた。一つ目は、自己評価で運転能力に不安がある人程運転中にヒヤリハットを感じる可能性が高いということ。二つ目は、ヒヤリハットを経験したことがある人の方が交通事故を起こす可能性が高いということである。これらの知見から、運転者の主観的なヒヤリハットデータを用いて交通事故の評価をできる可能性を示した。