2017 年 3 巻 4 号 p. A_7-A_14
道路網における旅行時間の時空間変動の把握には、一般車のプローブデータが活用されている。しかし、特に地方都市の渋滞区間においては、プローブ車自体の迂回のため、観測サンプルの不足が懸念される。著者らは、バスロケーションシステムデータと法定記録されたデジタルタコグラフデータに基づき、バス停停止/通過補正により一般車の走行軌跡を推定し、上記の不足を補完す手法を提案した。一方で、これらの補正により、実走行と推定走行軌跡上とで交通状況に格差が生じることが課題となった。 本研究では、上記の推定結果から各時空間メッシュに平均旅行速度を補間設定したうえでタイムスライス法を適用し、この格差を抑制できることを確認した。また、バスロケーションシステムデータを主体とした実時間処理が可能な推定手法の精度も検証した。