交通工学論文集
Online ISSN : 2187-2929
ISSN-L : 2187-2929
特集号A(研究論文)
ドライブレコーダーの常時撮影映像等を活用した危険運転発生特性に関する分析
安藤 章閔 健熙
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 4 巻 1 号 p. A_169-A_176

詳細
抄録

本研究は,交通安全対策向上の観点から,交通事故の発生と密接な関係があると考えられる危険運転(例:一時不停止,信号無視,歩行者妨害,速度超過等)の発生傾向を解明することを主目的としている.従来の交通安全に関する研究は,主に道路構造の改良等に主眼を置き,プローブデータによる危険個所抽出を目指していたが,本研究は,交通事故原因の更なる前段要因である危険運転に着目した点が特徴的だといえる.また,分析方法も,従来は行われてこなかったドライブレコーダーに保存された走行中の全映像データの解析を行うとともに,GPS データ等についても効果的に利用している. その結果,危険運転には,ある種の発生傾向があり,ドライバーの属性や運転場所,運転時間に起因することが示された.本研究の成果は,交通事故削減のための新たな市民啓発手法の開発に貢献することが期待できる.

著者関連情報
© 2018 一般社団法人 交通工学研究会
前の記事 次の記事
feedback
Top