2018 年 4 巻 1 号 p. A_258-A_264
都市内高速道路は大都市の交通を支える大動脈であるが,複雑な道路線形ゆえに今なお多くの事故が発生している.そのため様々な安全対策が講じられているが,その効果は必ずしも永続的なものではなく,逓減する可能性が想定される.そこで本研究では,過去に実施された交通安全対策効果の長期的傾向を把握することを目的とした.実施延長が最も長く代表的な対策である滑り止め対策を対象に,対策箇所の平面線形に着目すると,曲線半径 200m 未満の急カーブ区間では長期経過後に対策効果が逓減することが認められた一方で,その他の区間では対策効果が継続することを示唆する結果となった.これらの知見を踏まえることで,今後効果が低減する前に追加の対策を施すことが可能となり,事故の防止に資することが期待される.